何も言わず側にいてくれる優しさ。


イライラしてたあたしの心が、ゆっくり暖められてく。


「……あのさ」

「なんですか?」

「最近、試合ばっかで側にいてやれなかったじゃん。それの埋め合わせしてんの」

「疲れてるのにありがと。隼世くん」

「茉璃だって疲れてる。あんまり根詰めんなよ」


あたしの頭を撫でてくれた。


ずっとサッカーの試合で、学校を休んでた隼世くん。


毎日遅くに帰って来る璃玖を見てると、どれだけ大変かすごく分かります。



「隼世くんこそ、無理しないでね?」

「俺は大丈夫。弱くねぇもん」

「あたしだって弱くないですよ!」

「はいはい。お前は黙って俺に守られてりゃいーの」


あたしはいつだって隼世くんに守られてばっかです。


「いつか隼世くんのこと守ってあげます」

「待ってるな」


その笑顔にまた好きだと実感。



立ち上がって教室から出て行く後ろ姿もカッコイイなって。


益々好きになっちゃいます。