髪もたいした乾かさないで、茉璃が待つ俺の部屋に行く。
体育座りで小さくなってスマホいじってる背中。
後ろからスマホ没収してやった。
「むぅ~……隼世くん返してよ~……」
「ん?お前眠いの?」
「眠たいです…。でも隼世くんが来るまで起きてたかった……」
「ベッド行くか?」
「うんっ」
俺に両手を伸ばすのは、抱っこの合図。
眠たくなると甘えたになる茉璃は、幼くてかわいい。
小さい軽い体を抱き上げて、ふわっとベッドに下ろせば枕にしがみつく。
「隼世くんの匂い~……」
「枕じゃなくて俺に抱きつけよ。本人いるんだし」
「えへへ~いいの?隼世くんぎゅーっ」
「はいはい。……つーか、寝るなよ。俺の楽しみ返せよ~」
「……んっ」
頬をぐいっと軽くつねってみたけど起きる気配すらナシ。
なんで寝んだよー………。
ずっと我慢してたのに、これじゃあただお預けくらってるだけ。
こんなに、かわいい寝顔見せられたら無理矢理襲う気にもならねぇけど……。
悔しいから鼻つまんで、キスしてやった。