入れ首を掴んだ途端、有阪は不敵に笑った。
「退学。いや、エースだから停学程度で終わるかな?」
「は?」
「もしも、俺がこのこと言ったら教師はみんな俺の肩持つじゃん。だからさっ」
どこまでも腹立つ男だなコイツ。
進学科でバスケ部エースで評判の良い有阪と、普通科で評判の悪い俺とじゃ教師達は必ず有阪の味方。
………でも、アイツの純粋な思いをタブらかしてる有阪が許せない。
「もうぜってー茉璃に関わんな。いいな?」
「いいけど。あとは俺の気分かな?」
「ふざけんじゃねぇよ」
「そんな恐い顔するから、評判悪いんだよ?これだから嫌だなぁ~…伊吹くん」
腹立つけど我慢。
これで俺がなんかしたら、茉璃に矛先が行く可能性あるし。
多少の悔しさと怒りを引きずりながら、部室から出た。
あんな男………絶対ダメだ!

