俺様不器用男子の甘い愛情




男バスは有阪含む2、3人ってとこか?


でも、きっとここで俺は立ち聞きなんてしないで真っ直ぐ鍵を返せば良かったんだ。


すぐそう思った。


「ちょっと相手にしたらアレじゃん?恋愛慣れしてないって恐いね」


嘲笑う有阪の声。


放っておくことも出来たけど、俺には出来なくて気付けば部室に入ってた。



「あ……サッカー部エースの伊吹くん。盗み聞きって趣味悪いね?」

「お前の方がよっぽど趣味悪ぃよ。自覚ねぇの?」

「はぁ?そもそも俺が、あんな地味な子相手にすると思った?」


アイツは……茉璃は本気で有阪が好きだ。


俺は望んでも振り向いてもらえないのに、どんなヤツかと思えば最低な男。


むかつく……。


「アイツの気持ち掻き乱すんじゃねーよ!」

「向こうが勝手に好きになってんだよ?相手してあげてるだけでも感謝してほしいくらい」

「っ……」

「殴れないでしょ?俺のこと」


人よりちょっと頭良いだけで、完全に人のこと見下してる。


やっぱ、こんなヤツにあの茉璃は似合わねぇ。