バスに揺られてしばらく経つと、有阪くんは降りて行く。
あたしも隣を歩くこと約10分。
大きなオシャレな一軒家に着いた。
ここが、有阪くんのお家ですか……。
「遠慮しないで入って?彼女なんだから」
「お邪魔します……」
「あ、部屋散らかってるけど許してねっ」
「全然大丈夫ですっ」
2階に案内されて、通された部屋はシンプルな有阪くんらしい部屋。
さすが進学科………
参考書などの本が、大きな本棚にびっしりと揃えられています。
「はぁ~、疲れた。床座ってないで、ここおいでよ。床じゃ固くない?」
ポンポンと叩くのは真っ白なベッド。
さすがにベッドは……マズイですよね。
「床に座るの好きなので、ここがいいです」
「俺がヤダな。ほーら、おいで」
「あっ……ちょ、有阪くん!」
手を引っ張られて、体勢を崩したあたし。
見事にベッドに倒れ込んでしまって……。