気付けば付き合って2週間。


切なさだけが心を埋めていく。



せっかく隼世くんと同じクラスなのに、話す機会がぴったり無くなった。


恭平くんと笑って話してる横顔を見る度、さらに好きが募る。


思ったって無駄ですよね………。



「茉璃」

「は、はいっ」


久しぶりに聞いたあたしの名前を呼ぶ声色。


名前を呼ばれるだけで、きゅんとなります。


「次、面談って。担任が呼んでる」

「ありがとう、隼世くん」

「おう」



たったこれだけの会話。


うん、嬉しいです。


あたしはまた少し頑張れそうになります。



「進路先は私大で、本当にいんだな?」

「はい。あたしに一番向いてると思うので」

「分かった。よし、これで東条の進路は決まりと……」


担任がペラリとめくったあたしの進路希望調査の下には『伊吹隼世』の文字。


そういえば………


隼世くんの進路って、どこなんでしょう……。


進路の話なんて、これっぽっちもしてなかったから。


今更、お話も出来ないで聞くのは無理ですけどね……。