図書室の隅っこで二人だけの時間。


ゆっくり過ぎていって、気付けばオレンジに染まってた。


もう夕方か………。


「帰るぞ。茉璃」

「はい!明日も部活ですか?朝早くから」

「明日は5時起きだな……。ツライ」

「頑張ってね。練習」


頭を撫でてやった。


柔らかく笑うアイツが、かわいくて。


いくらでも監督の厳しい練習にも耐えられるわ……。


茉璃の笑顔ってすげー原動力。



「手、繋ぐ?」

「繋ぎます!隼世くんの手あったかいです」

「お前、冷たい。あっためてやろっか?」

「う、うん?」


キョトンとするアホ面のピンクの唇にキス。


顔赤いから、体温上昇するんじゃね?


「どう?あったかくなった?」

「暑くなりました……。不意討ちはズルイですよっ!」

「聞こえなーい」



明るく弾んだ茉璃の声。


その声のトーンじゃないと、俺が落ち着かないからさ。


笑顔と声に一安心。