不機嫌になったネコは、茉璃が追っかけてもすぐ逃げてく。
俺どんだけ動物に嫌われてんの!?
暇になった茉璃と来たのは、俺らがいつも行く図書室。
いつも通り人気がなくて閑散としてる。
「あたし意外と図書室大好きなのです」
「本好きだっけ?」
「ううん……。隼世くんと二人きりになって、独り占め出来る場所、だから」
「いつでも独り占めさせてあげるけど?」
「でも!やっぱり……隼世くんは女の子達に人気だもん」
拗ねた横顔。
確かにモテないって言ったら嘘になる。
茉璃と付き合ってるのに、告白だって月に何回もされてるし。
だけど、こんなかわいい彼女持ってたら浮気なんて絶対する気にならない。
俺をここまで一途にさせた女、お前が初めて。
「……隼世くん」
「何?」
「ぎゅってしてほしい……かもです」
「いいよ。ついでに、ストレス解消してあげよっか」
「えへへっ……お願いします」
ペコッと頭を下げた茉璃の腕を引っ張り、図書室の隅っこに座った。
俺の脚の間に小柄なアイツを座らせて、後ろから抱きしめる。

