金曜日の放課後、茉璃と二人で中庭に来た。
ネコを抱き上げて嬉しそうに笑う横顔。
「ほんとかわいいなぁ~」
「ですよね!ネコちゃんかわいいー♪」
「いや、ネコちゃんじゃないんですけど」
「えっ、と……やっぱり隼世くんに言われると照れますねっ」
ほんのり頬をピンクにする。
かわいすぎて中庭で押し倒しちゃいたいんだけど。
やっぱりネコは俺より茉璃になついてるらしい。
俺が抱き上げると、あからさま不機嫌そうにしてすぐ腕から抜ける。
「お前、俺のライバルかよ」
「きっと隼世くんに抱かれなれてないからですよ!ねっ?ネコちゃん。隼世くんとこ行こ?………あっ」
「フォローになってねぇよ!」
「だ、大丈夫です!きっと好かれてます!」
茉璃が俺に抱かせようとすると、走って逃げる。
きっとも何も完全に嫌われてるから!
むすっと頬を膨らませてネコを追いかける茉璃。
「ネコちゃん、待って。嫌いにならないで下さいよ~……」
そんな風に言われたら嫌でも嫌いになれるはずないって。

