【隼世side】
茉璃が積極的なのは嬉しい。
ただ、こんな時に限って側にいてやれない。
部活のことでやることが山積み。
マネージャーに頼るって手もあるけど、鈴夏もいっぱいいっぱいだ。
だから、主将と副主将として俺と恭平が仕事をする。
「ねぇ、隼世。マネージャー増やそ?俺ら選手だよ!」
「俺だって増やしたいけどよ~……。監督が、な?」
「監督は自分が独身だからって厳しすぎるよね。困る!!」
今年から監督が決めた掟。
『部活内恋愛の禁止』
選手とマネージャーが恋愛したら、選手に影響が出るから禁止らしい。
つーことで、璃玖と鈴夏がビクビクしながら付き合ってるわけ。
部活内では他人のフリ。
さすがに可哀想。
「誠実に仕事してくれるマネージャーっていないもん?」
「だからマネージャー不足なんだろ」
「サッカー部と付き合ってるって肩書きほしいだけか~。玲菜ちゃんは違うよね」
「茉璃もそんなヤツじゃねぇ」
「自分から惚れた女の子だしねー!」
驚くほどうざい。
ニヤニヤして茉璃をジーっと見る恭平の頭を一発叩いといた。

