【隼世side】
モヤモヤした気持ちが、好きなサッカーをやってても消えない……。
なんでいきなり、あの有阪がアイツに接近してんだ?
有阪は………
表面は色んなヤツらに優しくて、頭もよければバスケも得意。
裏面は……女好きで有名だ。
もし、このまま有阪がアイツに近付くようなら俺が間に入んないとアイツが傷付く。
それだけは避けたい。
「隼世~。休憩だって!」
「あぁ……」
「またなんか考え事?ボケッとしてたら先輩にエース取られるよ」
「……恭平。有阪晃大について最近、なんか聞いたか?」
「有阪ねぇ~……」
ドリンクを片手に持って考え込む。
情報通な恭平なら、なんか知ってるかも。
「他校の女子と3股中って噂聞いたくらい、かな?」
「はぁ~……このままだとヤバイ。やっぱ有阪はダメだ!」
「そ、そうなの?」
有阪がアイツに告白する前に、俺が本気で惚れさせないと……。
完全に取られる。

