奪われるのは絶対に嫌だ。
あんなヤツに茉璃渡せねぇよ。
有阪の奪っちゃう発言から、ずっとモヤモヤイライラしてて、とうとう3月14日。
「隼世、すっごいむさい顔してる!寒い中朝練だったから?」
「違う。茉璃が足りないだけ」
「ちょっと部室で盛るなよっ!璃玖!隼世から逃げて!食べられるっ」
「ええっ!!?お、お姉ちゃんだけじゃ満足しませんか…?」
「璃玖は何本気になってんだよ…。恭平も余計なこと言うな!」
俺から距離を取って、体を隠しながら制服に着替える璃玖。
やめて、俺ほんとに茉璃だけで十分だって!!
朝から恭平のせいで変な誤解生んだし………。
「ごめんねっ♪隼世!」
ふざけんなっ!
朝の教室で、いつの間にか俺の席に一人で座ってる茉璃。
ボケーっとアホ面で。
「アホ面して何してんの。そこ俺の席なんだけど」
「わざとですよー。今日は何の日でしょう!」
「……さぁ、何の日でしょうね?」
「うぅー……」
シュンとして下を向く。
頭を撫でてやれば、上目遣いで俺を見上げた。
あぁ……ヤベ、かわいい。
「あとでお返しやるから。放課後空けとけよ?」
「はーい♪」
俺はなんてかわいい彼女を持ったんでしょう。

