クツクツ小さく笑いながら、挑発的な目線。
何考えてんだ有阪……。
「茉璃ちゃんて、またかわいくなったよね。女の子らしさが増したって感じ」
「だろ？アイツすげーかわいいから」
「……欲しいなぁ～。俺が唯一手に入らないモノなんだよね」
「当たり前じゃん。俺に惚れてんだから」
その前に茉璃はモノじゃねぇし。
そんなこと言ってるヤツに、間違っても茉璃は渡せない。
つーか、どんないいヤツだろうとあげるつもり更々ないけど。
「でもさぁ。茉璃ちゃんは最初、俺に恋してたんだよ？奪ったの誰？」
「じゃあ逆に茉璃の気持ち掻き乱したの誰だよ」
「……ま、いつか必ず奪ってみせる。その時にせいぜい後悔してね？」
見た目とは真逆にドス黒い男だな、マジで。
有阪に背中を向けて校舎裏をあとにした。
正直、茉璃と付き合ってる今でも不安になる。
一度は茉璃が好きになった男だから、またいつ好きになるか分かんない。
信用はしてる。
でもなぁ～………。
