俺様不器用男子の甘い愛情




余裕そうな有阪は俺の隣にしゃがんだ。


すると、俺から離れてたネコがゆらゆら歩いて有阪の足元に擦り寄る。


動物も味方にしやがって!


「俺って女の子だけじゃなくて、動物にも好かれるみたいっ」

「あっそう。よかったデスネ」

「ちょっとその棒読み何さー。悔しいの?」

「随分、幼稚な挑発するヤツだなぁって思っただけだよ」


有阪はネコを抱いて満足そうな顔。


あー腹立つ!


切実にどっか行って来んねぇかな。


いいや、ここにいても寒いだけだし空き教室でも探すか。



「もう行っちゃうの?隼世くん」

「出来ればお前がどっかに行ってほしいんだけど」

「ヤダ♪」


でしょうね!!


言うと思った~。


呆れながら背中を向ければ、アイツがポツリと呟いた。



「茉璃ちゃん……」

「茉璃?」


嫌でも、彼女の名前にはびっくりするほど反応する。


ニヤッと笑ってネコを撫でる。


怪しいとしか言い様ない。