【隼世side】
校舎裏にいつの間にか住み着いた野良猫のネコちゃん。
なぜ、ネコにネコって名前付けたか気になるところ。
そいつを抱き上げながら、授業サボリ。
実際、3月のこの時期に授業受けなくても全然苦になんねぇ。
試験だって終わってんのに。
「お前さぁー……俺より茉璃になつかれてんじゃない?」
「ニャー」
「………ホワイトデーって何あげたらいい?」
「ニャー……ニャ」
機嫌悪そうな顔したネコは、俺の腕からスルリと抜け出した。
やっぱ茉璃がいいのかよ。
俺が動物に好かれない体質なのかもしんないけど……。
「あれー?イケメン隼世くんがネコに嫌われてるっ」
声の方を見れば、ニタニタ嫌味っぽく笑ってる有阪。
タイミング悪いにもほどがあるぜ………。
「進学科の天才有阪くんが授業サボリ?珍しいー」
「だって、この時期に授業受けるのって効率悪くない?無駄だよ。無駄」
しかも、おんなじ理由かよ!
ますます腹立つな。

