校舎裏の隅っこをキョロキョロ探すと、小さな白く動くモノ。
見付けましたぁ~!!
「ネコちゃ~ん♪」
「はぁー!?ネコ!?」
「うぅ~かわいいですっ!ネコちゃんにバレンタイン持って来たよ?」
「ニャー」
校舎裏に住み着いた真っ白の野良猫。
こんなにかわいいから、今は女子の間で人気者なのです。
あたしは買った牛乳パックを開いてネコちゃんにあげる。
飲んでくれるかな?
「ネコちゃんおいしい?」
「ニャー」
かわいい~!!
「隼世くんはネコ好き?」
「なんだよ……ネコじゃんかよ」
「ネコ嫌い?」
「好きも嫌いも、本命ってコイツ?」
「はい!」
呆れた表情であたしをジーっと見詰める。
いいじゃないですか!
ネコちゃんが本命でも!

