俺様不器用男子の甘い愛情




その日の放課後、部活がお休みの隼世くんを誘ってみた。


二人目の本命へ渡しに行くために。


「一緒に本命渡しに行きませんか?」

「お前それ彼氏に言う言葉かよー」

「え~……だってすっごくかわいんですよ!?行こうよ!」

「ヤダ。無理。却下」



行かないの一点張りなので、手を引っ張って強行突破!


向かうは校舎裏です。


廊下をダルそうに歩く隼世くんは、どこか不機嫌。


「……どんなヤツ?」

「ふわふわしてますね。あとは~……えっと小さくて和みます」

「待って。ほんと誰!?」

「かわいい子なのです」

「女!?男!?後輩!?」



こんなに質問攻めしてくるってことは………


もしかして、校舎裏のこと知らないのですかね!?


あたしの手をぎゅっと握って、不機嫌っぽく着いて来る。


校舎裏の芝生。


今日は久しぶりに晴れて太陽が出てるからとても気持ちいい。