ガコン────


あたしは自販機に小銭を入れてコーヒー牛乳を買う。


あれからずっと気分がルンルンなのです♪


「ニヤニヤしてきもっ!」

「うるさいです伊吹くん!」

「なんかあったの?」


伊吹くんもコーヒー牛乳のボタンを押す。


「1週間前に有阪くんに“茉璃”って名前で呼ばれちゃったんです♪」

「ふーん。あっそ」


前話した時とは大違いで冷たい反応………。


確かに伊吹くんには無関係な話だけど、あたしはすごく嬉しいです。



「有阪とお前の話聞いて俺が素直に喜ぶと思った?」

「多少は……よかったね、とか言ってくれるかと……」

「バーカ!」


コツンとあたしのおでこを叩いた。


バカってひどいな……もう!


「俺、お前に告白してんの。お前が好きなわけ。気付けよ」

「へっ?あ……えっと、あたしは有阪くんが……」

「ほんとにバカだな。………俺だって妬くから」


そのまま、背中を向けて行ってしまった。


妬くって……嫉妬?


もしかして、今のあたしはすごく複雑な渦中にいるのかも……。