へこむあたしとは逆に有阪くんは優しく笑ってあたしの右手を両手で包んだ。
あ、あたし………有阪くんに触れられてるの!?
夢みたいです……。
「そんな顔しないでよ。東条さんの笑顔が好きだよ、俺は」
「そんな!ブサイクなので見ないで下さいよ……」
「え?どうしてそんなに自信ないの?俺ね……嫌いじゃないんだよねー……」
あたしの耳元で小さく色のある声で囁いた。
「東条さん……。かわいいからもっと自信持って?俺の大好きな笑顔を見せて?」
「ほ、本当ですか……?からかってません?」
「俺、人をからかってバカにすることが一番嫌いなんだよ」
憧れてずっと片想いで、あたしの王子様だった有阪くん。
今は有り得ないほど近くにいます……。
かっこよすぎるよ……。
あたしの心が持たないよ!
「またね。茉璃ちゃん」
「あ……有阪くん……」
あ、あたし……茉璃ちゃんって……
有阪くんに名前で呼ばれちゃいました!!

