悲しそうな瞳であたしを見詰めないでよ……。


心がぎゅっと何かに締め付けられてる気分。


「……なーんてうっそー!」

「ええっ!?」

「言ったじゃん?俺はお前に好きって言わせるから。少しは惚れた?」

「惚れるわけないでしょ!あたしが好きなのは有阪くんだけだもん!!」



あ………


あたし自ら言っちゃった……かも……。


“有阪くん”って言っちゃった………


言っちゃったどうしよう!!


隣の伊吹くんはニヤッと笑った。


「進学科の有阪晃大なんだ。好きなヤツ」

「……わ、笑っていいです!あたしなんて有阪くんに釣り合わないし……」

「バスケ部か……競いようねぇな。でも確か有阪って……」

「有阪くんがどうかしました?」

「いや!なんでもない」


笑って何か誤魔化したような………


もうバレちゃったのはしょうがないよね……。


言い降らされるの覚悟です!!