ここで口出ししたら変なお節介だし、あとは璃玖に任せよう。


「璃玖ー!」

「へっ!?ちょ、は、隼世先輩!?なんで璃玖くん呼ぶんですか!」


沸騰しそうなくらい赤くなってる鈴夏。


俺に呼ばれて走って来た璃玖も、鈴夏を見るなり赤くなる。



「なっ、なんだよ……鈴夏」

「ううん……なんでもないけどっ」

「なぁ。なんでお前らそんなぎこちないの?」


前まであんなに仲良くてべったりだったのに。


「鈴夏さぁ、俺のこと避けてる!絶対に!キスしてから避けてるよね?」

「さっ、避けてないっ!ただ……恥ずかしいだけ…」



バカップルめ。


俺も茉璃に会いたくなってきた………。


なんて考えながら、ボール蹴ってると遠くのフェンスに見覚えのある姿。


茉璃と玲菜ちゃん。



「あっ!玲菜ー!」

「きょーへー!練習がんばー!」

「ありがとー!」

「俺って、バカップルに囲まれて生活してるんだな……」

「茉璃ちゃんいるじゃんかぁ!隼世も手振れよ♪」


恭平に言われるがまま、遠慮がちに手振れば思いっきり笑顔で振り返してくれる。


あぁ………かわいい。