補習の確認テスト当日。
テストの出来は茉璃のおかげでそこそこ良くて、すぐ抜けられた。
真っ直ぐ部活に行けば、ジャージ姿でボール蹴ってる恭平と茉璃の弟の璃玖が。
「おっ、補習お疲れさん!」
「隼世先輩って補習対象者だったんですか!?お姉ちゃんのこと将来幸せにする気あります!?」
「なぁ、璃玖の変なプレッシャー何?」
「当たり前じゃないですか~。俺なんて補習一つもありませんよ」
「俺と璃玖は文武両道だからなっ♪」
腹立つ男二人を残して俺は、逃げるようにボールを取りに行った。
その時、背の低い小柄な女の子に声をかけられる。
「お疲れ様です!隼世先輩」
「あ、鈴夏じゃん」
「隼世先輩~!茉璃さんとお泊まりデートするんですかっ?」
「だ、誰から聞いた?璃玖?」
「茉璃さんからですよー!羨ましいですっ♪」
「そう?」
目をキラキラさせて俺を見上げる。
そんなにしたいなら、璃玖とすりゃあいいのに。

