【茉璃side】



あたしの右手は隼世くんの手の温もり。


8月は夜でもかなり暑いのに、あたしはぎゅっとくっつきます。


「暑い。手繋いでんだから少し離れろ!」

「嫌!離れない」

「お前いつから、そんなわがままになった?」

「好きだからの……わがままです」


ため息混じりにあたしの髪をくしゃっと撫でて、ぐいっと手を引っ張る。


好きなんです。


探してくれて、すごく嬉しかったの。


困らせてごめんなさい。


でも、ありがとう。



「お前でもいなくなったら、めっちゃ焦った」

「ごめんね?もう迷子になりません」

「てか、させねぇ」


普段は素直に言ってくれないような事も今なら言ってくれたり?


あたしはつい嬉しくて、隼世くんの腕に抱きついた。


その瞬間『バン!!!』と大きな音とともに、夜空にはカラフルな花。


花火!!