遠くからでもすぐに分かった。


スラッとスタイルのいい茉璃が、短めのワンピースを着て玲菜ちゃんと立ってる。


俺を見付けるなり、走って来た。



「隼世くん!放置し過ぎですから……」

「ごめんごめん。忙しかった」

「でも会えたので満足です!髪、いい感じに似合ってます」

「ありがと。お前も今日くるくる」

「早起きして頑張りました~♪」


茉璃の巻き髪をくるくる指で触ってみる。


照れくさそうに、抱きついてくるわけじゃなくペタペタくっつく。


この真夏に暑い!!



「茉璃。試合する前に汗かく!離れろ!」

「う~……触られるの嫌ですか?」

「会って早々、欲情させる気?」

「そっ、そんなことない!」


顔を真っ赤にして首を振る。


だったら、こんなにくっつくな。


俺だってやっぱそこそこは我慢してるのに。


「隼世くん、隼世くん」

「だーかーらー!くっつくの禁止!」


ペタペタペタペタ………


くっつき虫か!!