有阪と会ってから、唇を尖らせてかなり不機嫌。


人通りの少ない階段に二人で座った。



別にそんな茉璃が拗ねることじゃないと思うけど、正直嬉しかったり。


「もう拗ねんなって。有阪に言わしときゃいいだろ」

「ヤダ……。隼世くんいい人なのに、文句言うのが許せないんです…」

「お前って優しいな。俺は大丈夫だから、機嫌直せって」

「あたし……隼世くんのこと大好きだから悔しい…っ」


俯いて泣きそうな顔するから、下の段に座ってる茉璃を後ろからぎゅーっと抱いた。


かわいいなぁ~……。



「好きな人を悪く言われるのは嫌いなんです……」

「かわいい。あー……襲いたい。俺のメイドさんかわいくて困る」

「かわいくないです!それに……襲うって……あたし何されちゃうの?」

「お前ピュア過ぎだろ」


涙目で俺を見上げて来る。


その目とかほんと反則……。


完全に俺の理性ぶっ飛ばす気じゃん。


実際、こんなピュアな子に手出し出来ねぇけど。