茉璃のためにりんご飴を買ってあげて渡せば、笑顔ですぐ食べ始める。


餌付けしてる気分。


「おいしい!隼世くんは食べないの?」

「甘いのあんま好きじゃないし。太るからいいわ」

「それは、あたしに対しての嫌味ですか!?確かに痩せてる方じゃないけど…」

「太っても茉璃のことは好きだよ?」

「……嬉しいかも…です」



満足そうに、りんご飴を食べてる茉璃の隣を歩いてると前から見覚えのある姿。


………有阪だ。


「あ……有阪、くん……」

「気にすんな。行くぞ」


ぐっと茉璃の手を繋いで引っ張った。


有阪との一件なんてもう終わったこと。


無視すればいい。



「あれー?すごいかわいいメイドさん。誰かと思ったら茉璃ちゃんだ」


有阪の声を聞いてびくっと肩を揺らした茉璃。


「今は伊吹くんのモノだもんね。どう?女たらしの彼女って?」