そんな無自覚で天然な彼女も呼び込みのチラシを全部配り終わり呼び込み終了。
なんか疲れたなぁー……。
「教室戻るか」
「はい……」
「どした?」
「ん~……な、なんでもないです!」
「言ってみ?」
困った顔をした茉璃は、ずーっと奥の廊下を指差す。
あんな奥でなんかやってたっけ?
茉璃は顔を赤くして俺の制服の裾をぎゅっと掴んだ。
「りんご飴売ってます!」
「……食べたいの?買いに行く?」
「食べたいのですっ」
俺の一言でおっきな目を開いてキラキラ輝かせる。
そんなに食べたかったなら、言えば買って来てやったのに。
珍しく茉璃から手繋いできて、ぶんぶん振り回して上機嫌。
「りーんーごーあーめー♪」
「何その歌?」
「作詞作曲東条茉璃のりんご飴の歌ですっ。8歳の時に作りました♪」
完全に意味分かんねぇけど、かわいいから許す!

