俺様不器用男子の甘い愛情




【隼世side】



茉璃と付き合って気付いた。


日に日に茉璃が、かわいくなってる気がして困る。


かわいいのは自慢になるけど、アイツがかわいくなると余計な男が来るし……。



文化祭でも俺を焦らせやがって……。


「どうして話しかけてくるのでしょう……。絶対にからかわれてる…」

「そうだったら助けたりしねぇよ。お前ってほんと……」

「なんですか?」

「なんでもねぇ。早く呼び込み終わらせろよー」


かわいくて困る。


無自覚な彼女の彼氏は苦労して……でも、無自覚だから気付かない。



「かわいいねぇ~。名前なんて言うの?」

「東条茉璃ですけど……?」

「茉璃ちゃんかわいい!俺と一緒に来てよ!」

「ヤダ……」

「俺のだから連れてくのやめてほしいんだけど?」


はぁー……なんで普通に名前言うかな。


そんな張本人は、キョトンとして俺の腕にしがみついてるし。


こんなんだから放っとけねぇ。