初戦に苦労しただけで2回戦からは思ったほどツラくなかった。
先輩だろうと後輩だろうと関係ない体育大会の下剋上!
ここまできたらぜってー茉璃のために優勝するし!
体育大会2日目の午後。
泥だらけのユニフォームで迎えた決勝戦。
これで最後の相手。
でもなんでこんな偶然重なるんだろ……。
「隼世…!アイツらって確か……」
「そうだよ。くるみにくっついてる男達」
「じゃあ、くるみさんも観に来てるよね!」
「絶対にな」
相手は3年。
くるみのクラスで常に、くるみが側に置いてる男二人。
もちろん、堂々とくるみも観に来てるわけで。
「ポジションどうする?このままでいい?」
「俺がMFで基本は恭平に回すから、シュート入れて来い」
「オッケー♪アイツら大嫌いだから、ぱぱっと終わらせよっ!」
絶対に勝つ。
相手がコイツらだから尚更。
記録係の席にいる茉璃が不安そうな顔で俺を見てるから「バカ」って言っといた。
そしたら、困ったようにでも笑うから。

