試合開始ですぐ俺らの優勢。


初めてのくせに器用にこなす恭平から、パス回って来てそのままゴール。


記録係を見れば、茉璃が笑顔で拍手してる。


優勝する気涌き出てくるね。



「隼世先輩。なんで今日はMFじゃないんですか?」

「気分?」

「嘘ですよね?俺がFWだから合わせた……って感じですね!」

「ちーがーう!恭平がMFやりたいっつーから譲ってやったの」

「ふーん。俺だってスズちゃんが見てる前で負けられないっス!」


ボール目掛けて全力ダッシュ。


はぁ~………璃玖って脚すげー速いから地味にヤダ!!


無駄に疲れるー!!



「隼世!」

「ん……」

「もーらいっ!」


すっと横入りでボール取ってく璃玖。


恭平と俺の間に割り込みやがった~!?


唖然とする俺、苦笑する恭平、ジャンプして喜んでるスズちゃん。