【隼世side】
ジリジリと太陽が照らすグラウンドで軽くアップ。
ベンチに座ってる恭平はシューズの靴ヒモを入念に結んでる。
近くにいる茉璃のためにも勝たないとカッコ悪いな……。
去年の体育大会より柄にもなく緊張する。
「隼世~。初戦の相手1年5組じゃん?」
「そうだっけ?」
「昨日、璃玖が張り切ってたじゃんかぁ~!隼世先輩倒しますって!」
そっかそっか。
昨日、部室でずっと力説してたな。
なんとなく周りを見渡すと、記録係の席には玲菜ちゃんと話してる茉璃。
応援で来てる璃玖の彼女の鈴夏ちゃん。
これは璃玖も本気でくるはずだ………。
「後輩に負けてられないよねっ!初戦だし絶対に勝たないと!」
「なぁ、恭平。俺とポジションチェンジしね?」
「なんで!?ぜってー隼世がMFやった方がいいよ!」
「FWやらして」
「どこまで璃玖と張り合うんだか……」
「ちげーよ」
恭平の言ってること満更嘘じゃない。

