サッカー出場メンバーの呼び出しがかかり、やっと隼世くんの腕から解放。
顔は不機嫌そうですが……。
「頑張ってね隼世くん!あ、怪我は禁止しですよ」
「分かってる。んー……じゃあ俺も茉璃に禁止事項言っていい?」
「なんでしょう?」
「……余所見禁止」
余所見?
あたしがいつもふらふらしてるから?
意外と気をつけて歩いてるつもりなんだけど………。
「他の男んとこいったら困るから、お前余所見禁止!」
「そ、そうゆうこと……。大丈夫!あたしは隼世くんだけです!」
「それならいんだけど。俺しか見ちゃダメ」
ぷいっと目を逸らして言う隼世くんが、かわいくて……
あたしはクスッと笑ってしまう。
こんなに、カッコイイ人以外を見るなんてあたしには出来ません!
「行ってらっしゃい」
「行って来る」
あたしの頭を撫でて、恭平くんと二人でグラウンドに向かった。
どうか怪我しないで無事に勝ってくれますように………。

