美術部を辞めてまでマネージャーやってくれるなんて、そこまで璃玖のこと思ってくれてるのが嬉しい。
でもちょっと申し訳ないような……。
「スズちゃん見てて!俺、今日こそ隼世先輩抜くから!」
「ふふっ……あっ、璃玖くん。後ろ……」
「璃玖は今日俺のこと抜くんだ?俺は絶対に負けないけど!な、茉璃」
「隼世くん!二人とも頑張ってねっ」
「茉璃は彼氏の味方しねぇの!?」
これは大変な板挟み状態!
鈴夏ちゃんは苦笑して二人のやり取りを見てる。
「いつも二人で張り合ってるんですよ。男の子って不思議ですよねっ」
「そうなんだ……。璃玖の彼女は大変でしょ?鈴夏ちゃんに迷惑かけてない?」
「全然!私が璃玖くんに迷惑をかけてて不安なくらいです!」
ブンブン手を振って否定する鈴夏ちゃん。
多分、璃玖の面倒を見てくれる子は鈴夏ちゃんしかいないだろうな……。
感謝ばかりが募ります。
璃玖と隼世くんはまだ張り合って言い合いしてるし。
「じゃあね。鈴夏ちゃん。あたしそろそろ帰るね」
「あの!隼世先輩呼びますか?」
「いいの!なんだか楽しそうだからっ」
ニコッと笑ってお辞儀をしてる鈴夏ちゃんにあたしは手を振った。
璃玖のことよろしくお願いします!

