二人で自販機に行き同じ飲み物、コーヒー牛乳を買ってベンチに座る。
「璃玖に対抗しなくていいのに。どうして男の子ってすぐ張り合うのか…」
「当たり前じゃん。お互い好きな女取られんの嫌だし」
「あたし璃玖は弟としか見てないから大丈夫だよ。隼世くん心配し過ぎです!」
「お前がかわいいから心配すんの。」
照れくさそうにあたしの頭をくしゃくしゃ撫でた。
あたしを撫でてくれるその優しい手がすごく好きです……。
“かわいい”
この言葉を大好きな人から言われる日が、こんな早くくると思わなかった。
「要は、俺以外の男見んなってこと」
「見てないです。隼世くんしか見えません。隼世くんもダメだよ?」
「俺なんて最初っから茉璃だけ。余所見してたの茉璃!」
「あ、あの時は……ただの一目惚れ!」
「知ってる。もう禁止な」
有阪くんに恋してた時期もあったね……。
今はもう隼世くんに夢中です。
普段は不器用なのに、たまにあたしの喜ぶこと言ってくれる。

