それからしばらくした朝。
また玄関で朝練終わりの隼世くんに会った。
ほんのり制汗剤の石鹸の匂いがして好きです。
「おはよう!隼世くんっ」
「おー、茉璃か……」
「……どうしたんですか?浮かない顔して…」
「はぁ~………お前の弟かなりのシスコンだろ?」
否定は出来ません……。
あたしは小さく頷いて、疲れた表情の隼世くんを見上げた。
弟がかなりの迷惑かけてるっぽい!?
「負けん気は認める。普通のヤツらより努力だってしてるし……ただ!」
「たっ、ただ……?」
「姉弟で恋愛出来ないこと、そろそろ教えた方が絶対いいな……」
「そうだよね……。璃玖もそろそろ理解してくれると思ったのに…」
「アイツ完全に茉璃のこと奪う気!」
あたしのことで必死な顔して焦ってくれてるって何だか嬉しい……。
弟が相手だけど、こんなに大切にされてるって幸せです。

