【茉璃side】
あたしと同じ高校に入学して、中学から続けてるサッカー部に入った弟の璃玖。
部活ですごく優しい先輩が出来たって喜んでる時だった。
あたしに紹介してくれたのは、なんと隼世くん!
隼世くんが先輩なら、すごく優しいはずだよね!
よかったって思ってたんだけど………
「璃玖~!ご飯だから、お部屋から出て来てよ~」
「いらないし!……お姉ちゃんの嘘つき」
「あたし璃玖に嘘ついた?ついたなら、謝るから出て来てよ……璃玖」
ガチャと開いた璃玖の部屋の扉。
よく分からないけど、とても璃玖がご立腹。
あたし何かしちゃったのかな?
「璃玖。どうしたの?」
「……お姉ちゃんさ、俺と結婚してくれるって言ったじゃん」
「結婚…?い、いつ?」
「幼稚園の時……。俺が4歳でお姉ちゃんが5歳。お姉ちゃんの誕生日に言ったし」
ぷくっと頬を膨らませて、いじけて目を合わせてくれない……。
幼稚園の時の話を本気で受け止めてなかったよ……。

