「なんとなく。」




…駄目だ。この人といると脳内血管切れまくって血まみれになりそう。




「やっぱ帰ります。」




優芽は立ち上がって、ドアまで言って気付いた。




「あ。」


「引いて右回し。」


「え?」




優芽は半信半疑で、ドアノブを引っ張って右に回して押してみた。


ドアは音を立てずに開いた。




「おぉ。」




思わず感心した。


だけど無駄だなぁとも思った。




「入るときは押して右回し。」




恭弥は優芽を見ずに言った。




「また来るならね。」




優芽は恭弥に言って部屋を出ていった。


見送った恭弥は冊子に目を通しながら微笑んでいた。





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