―――トントン 『桜鈴(おりん)ネェさん。矢那(やな)でありんす。』 「矢那かい。入りな。」 「はい。お客を連れてきたでありんす。」 「お通ししな。」 「はい。」 だけど一人をのぞいてはだった。 「また来たんでありんすか?斎藤はん。」 「だめかい。俺は君と話したくて来てるんだ。他の男どもとは違うと思うが?」 「毎晩ここへ来てお仲間さんから白い目で見られるでありんすよ。」 この時の常連が今世間を騒がせている新撰組の斉藤一。