【完】ズルい瞳[短編]




ここで、俺は原点に立ち返る。




この部屋に来た理由。




そう、あおいと思う存分イチャコラするだめだ。




「あおい?」




「ん?」




「キス……してもいいか?」




「そ……そんなこと、いちいち聞かないで……」




耳まで真っ赤になって




ホント可愛いやつ。




じゃあ、いい……よな?





「あおい、好きだ」




「うん。私も蒼ちゃんが好き」




そう言って静かに瞳を閉じるあおいの、その柔らかそうな唇に




俺はゆっくり自分のものを近付けていく。











しかし。




ピンポーン♪




唇と唇がまさに触れようとした、その瞬間




来客を知らせる無情な呼び鈴が鳴り響く。




「…………」




この家に来客なんて有り得ない。




俺は構わず、続きを進めようとしたのだが










【コラー!蒼っ!中にいるのはわかってんだよっ!?】




懐かしくも、そして




今は……今だけは聞きたくなかった、お袋の怒号が




ドアのすぐ向こうまで迫っていた。