【完】ズルい瞳[短編]




HRを終え、校庭では別れを惜しむ卒業生達が




写真を撮ったり、アドレス交換したりなど




思い思いの時間を過ごしていた。




「あおい。卒業旅行どこに行くか考えておいてね?」




校門で既に慎司くんを待たせている美佳は慌ただしく




でも、嬉しそうに携帯を私にかざして見せた。




「うん、わかった。ほら慎司くん待ってるから早く行ってあげて」




「ありがとう!じゃあゴメン、先行くね~」




慎司くんは都内の大学に進学。




美佳の通う専門学校とも近いから、4月からは更にラブラブイチャイチャした2人を見かけることがあるかもね。




私は笑顔で2人を見送った。




そして、その隣では




「あ、あおい姫。俺もその卒業旅行、一緒に……」




「え……?」




と、思った矢先には




さっきまで隣にいたハズの信之介くんが




「うおっ!?」




数人の在校生達に担ぎ上げられ




サッカー部のある部室の方へと消えて行ってしまう。




「は、離せぇぇーっ!俺はあおい姫に話があるんじゃーい」




「ダメっすよ!サッカー部伝統・キャプテン胴上げの儀式が残ってるんすから」




「そんなもんいらーん!」




信之介くんの悲痛な声は校庭中に響き渡っていたけど




誰ひとりとして救護しようとする人はいなかった。