式を終え、教室に戻ると
穏やかな表情の蒼ちゃんが教壇の上で立って待っていた。
「みんな卒業おめでとう」
いつになく真面目な口調で頭を下げる蒼ちゃんに、今まで涙を見せなかったクラスメイト達も
一様に鼻をすすり始めた。
「俺が教師になって初めて受け持ったのがこのクラスなんだよ。
だからお前達は俺にとって記念すべき第一号の教え子だ。
お前達が俺の生徒で……本当に良かった、ありがとう」
「先生っ!」
蒼ちゃんの言葉にクラス全員が感動の声を上げる。
私の涙も幾つも幾つも溢れてきては止まらない。
「勉強嫌いだったこの俺がそれでも教師になる夢を叶えたんだ。これからのお前らだって可能性はいくらでもある、決して諦めるな!いいな?」
「はいっ!」
「俺が叶えたかった夢……それは、こうやってお前ら全員無事に卒業させることだったんだよ」
「先生~っ!」
次の瞬間には
信之介くんを筆頭に数人のクラスメイト達が蒼ちゃんに抱きついていた。
私も横にいた美佳と抱き合って泣いた。

