【完】ズルい瞳[短編]




それから5日後




桜の開花には全然間に合わなかったけど




いよいよ今日は卒業式。




「村瀬あおい」




卒業証書授与。




いつもよりパリッとしたスーツを纏った蒼ちゃんに名前を呼ばれ




厳かに粛々と卒業証書を受け取る。




そして……ゆっくり蒼ちゃんの前を通りすぎ、自分の椅子のある場所へと向かっていく。




この時、ふと思うことがあった。




こうやって蒼ちゃんに背中を見送られ




私も私の道を歩いていく。




だけど、いつまでも蒼ちゃん蒼ちゃんと追い掛けてばかりいては




ダメなんだってこと。




たとえ今日“教師×生徒”のカテゴリから卒業しても




私が“子ども”である限り




蒼ちゃんとの差は縮まらない。




だとしたら




もっと大人の女性として




蒼ちゃんの隣に立っても決して引けを取らない




そんな立派な女性にならないと




きっと今の蒼ちゃんには釣り合わないから。














………決めた。





私はひとつ、ある決断をする。