【完】ズルい瞳[短編]




「お前がクラス委員でホント助かったわ」




段ボールから卒業アルバムの束を取り出すと、蒼ちゃんが不意に私を見て言った。




「そうですね。クラスの皆も最初こそ羨ましがってましたけど、最後の方は哀れみの瞳で見てましたからね」




「はは。俺は人使いが荒いからな」




「自覚はあったんですね」




精一杯の嫌味を言ったはずなのに、何故か蒼ちゃんはニコニコ顔。




「いや、今だから言うが……あの封筒、最初からお前の名前の紙しか入れてなかったんだ」




「は、はい?」




そ、それって




どういうこと……?




「いろいろ面倒くさそうなこと、お前ならやってくれそうだったからな」




「…………」





一瞬でもドキッとしちゃった私のときめき、返して下さい!




思いっきり蒼ちゃんを睨み付けてやる。





「ま、まぁホント助かったよ。ありがとな」




「許せません!」




「悪かったって。今度ラーメンでも奢ってやるから機嫌直せ」




「………」




「な?」




困った蒼ちゃんの顔があまりにも可愛くて




そして




蒼ちゃんと食べるラーメンデート権が欲しくて




「もう。絶対ですよ?」




私は簡単に許してしまう。