【完】ズルい瞳[短編]




でも、そっかぁ。




蒼ちゃん、彼女いないんだ。




思わずにやけそうになる顔を両手で覆い隠す。




「おい、なに顔赤くしてんだよ?」




気付けば目の前に蒼ちゃんの顔。




「っ!?」




驚きのあまり身体を大きく仰け反らせる。




「何度も呼んだんだがな、返事が無いから直接来てみた」




「………」




だ、だからって




そんな見透かしたような瞳で




見つめなくたっていいじゃん。




蒼ちゃんを思う私のこと




どうせ、からかって笑ってるんでしょ?




目だけでも怒りを表してみせる。




「えーっとな。卒業アルバムが完成したんだが、一緒に数量チェックしてもらえるか?」




「はい?」




「これが恐らくクラス委員として最後の仕事だ」




「………あ」




そう、次の登校日は卒業式。




学校で蒼ちゃんに会えるのは、あと2日だったんだ。