でも、そっかぁ。
蒼ちゃん、彼女いないんだ。
思わずにやけそうになる顔を両手で覆い隠す。
「おい、なに顔赤くしてんだよ?」
気付けば目の前に蒼ちゃんの顔。
「っ!?」
驚きのあまり身体を大きく仰け反らせる。
「何度も呼んだんだがな、返事が無いから直接来てみた」
「………」
だ、だからって
そんな見透かしたような瞳で
見つめなくたっていいじゃん。
蒼ちゃんを思う私のこと
どうせ、からかって笑ってるんでしょ?
目だけでも怒りを表してみせる。
「えーっとな。卒業アルバムが完成したんだが、一緒に数量チェックしてもらえるか?」
「はい?」
「これが恐らくクラス委員として最後の仕事だ」
「………あ」
そう、次の登校日は卒業式。
学校で蒼ちゃんに会えるのは、あと2日だったんだ。

