「ねぇ、あおい。顔真っ青だけど大丈夫?」
美佳が心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「いや、仕方ないだろうよ。このクソ大変な受験期にクラス委員なんて、面倒くせぇったらありゃしないよな?」
信之介くんもまた同様に顔を見合わせてきた。
「う……うん。そうだね」
まさか初恋の幼なじみが、担任になってしまったこと。
2人にはまだ明かせず、この場は何とか作り笑いで誤魔化す私。
「困ったことがあったら、すぐに俺を頼れよ?俺、お前のためだったら……」
信之介くんが真剣な眼差しで、いきなり私の手を取ったと思ったら
「あ、それから村瀬!次の授業準備手伝って欲しいから、今から歴史資料室に来てもらえるか?」
職員室に戻ったとばかり思っていた蒼ちゃんが突然教室に顔を出すなり、そう言った。
「え……あ、はい」
その言葉に導かれるようにして
まるで魂を無くした抜け殻のよう、私はフラフラとした足取りで立ち上がる。
そんな私を2人はきっと
「………可哀想に」と見守っていたに違いない。

