【完】ズルい瞳[短編]




「で?どこに出掛けるんだ」




場所を資料室に移動して




私に添削用プリントを手渡してきた時




ようやく先程の話の続きを始める蒼ちゃん。




2人それまでずっと無言だったので




回答に気を遣ってしまうほどだ。




「えーっと今日なんですが、信之介くんが美佳に男の子を紹介してくれるみたいで」




「…………」




気のせいかな?




信之介くんの名前が出た瞬間




蒼ちゃんの表情、歪んだような。




「それで私にも付き合って欲しいと、美佳に頼まれて……午後から行く予定です」




「…………」




悪いことは何もしていないはずなのに




何だろう……蒼ちゃんから放たれる、この凄まじいまでの威圧感は。





「へぇ~信之介にしては上等な手段だったな」




悪い顔した蒼ちゃんが呟く。




「え………?」




意味がわからず、小首を傾げる私に蒼ちゃんは更に続ける。




「親友を餌にお前を呼び出そうって魂胆か。ふっ……しかし、甘いな」




「…………」




悪魔の笑みを浮かべる蒼ちゃんは、今度は何やら調べ始めていた。