自分を襲った男。

彼は、灰になる寸前に、そう言っていた。



『同族を殺す…
…生きる為には、それしかない……』



その言葉通りだった。

彼女の記憶は、一旦そこで途切れた。

(私……死ぬのかしら)



しかしセレナが正気に戻った時、体力は完全に回復していて、
彼女は知らない家の一室で、灰まみれになっていた。

後から、ある日突然消えてしまった、
そこに住む老人は、化け物だったという噂を聞いた。



(私がやったんだ……)