三十年前、セレナはふらりとバーに立ち寄った。 酒を飲んでも酔わない体質だったのだが、 何故その時バーに入ったのかはよく覚えていない。 入ると、丁度ゲームをしていた。 誰が最後までずっと飲んでいられるか、その時間と量を競っていた。 熱狂的で、おそらくほとんどの人間が初対面だっただろうが、 皆楽しそうに笑い、肩を抱き合いながら、 時には参加者に野次を飛ばして……。 何となくセレナは、忘れかけていた何かを、 そこで目の当たりにした気がした。