ふといたずら心が湧いてきた。


獣耳はダメだって言われちゃったから、こうなったら耳を触ってしまおう。


そーと、流れるように耳を探し当て触った。


と思ったら、バッと手を掴まれ離された。



「えっと、どうしました?」


「どこ触ってんだよ」


「耳?」



ニコリと笑うと秋月くんは大きなため息を吐いた。



「そんなに耳触りたいのか?」


「触りたいです!特に獣耳!」



私が熱弁すると瞬く間に秋月くんの頭に獣耳が現れた。


ピクピクと動くそれ。ウズウズと触りたい衝動に駆られる。


触りたい、触りたい、触りたい!



「触っていいんですか!?」


「一つ条件がある」


「何ですか?何でもします!」



獣耳触るためなら何でも。なんだってする覚悟。


早く早く触りたい。



「何でも?」


「何でもします!早く言ってください!」



私がそう言うとニヤリと悪い笑みを浮かべた秋月くん。


おっと、私もしかしたらいけないこと言ったんじゃ…



「じゃあ、今真琴からキスしろ」


「え?」


「触りたいんだろ?早く」



秋月くんは意図的に獣耳を動かして誘惑してくる。


キス。今、キスするの?この状態で?膝枕しているこの状況で?


いや、でもキスすれば獣耳が触れると思えば。


でも、やっぱり恥ずかしい!


何でもとか言うんじゃなかった…