秋夜さんに全てを暴露されて逃げ出した秋月くん。


そして、秋夜さんから明かされた秋月くんの心。


気にならないわけがないじゃない。


全て秋夜さんの口から伝えられて、秋月くんの口から本当のコトを聞きたいって思うのは普通のことでしょう。


秋月くんがどうしてなんて言わないでよ。



「秋夜さんに聞きましたよ。全部」


「…は?全部って…」


「全部です」



私がニコリと言えば秋月くんは真逆の無表情になる。


しかし、目力だけは半端ない。その目力に臆していてはダメだ。


私はそれを真っ向に受けながら秋夜さんに聞いたことの概要を彼に話した。



秋夜さんが椎名先輩を操った時期と私と秋月くんが出会った(一緒に帰るようになった)時期とは異なること。


あくまで、秋夜さんは秋月くんが私と一緒に居た所を見て、椎名先輩を利用しようと思ったこと。


つまり秋月くんがこれからも一緒に帰ろうと言った時にはまだ秋夜さんには見つかっていなかったこと。


それらを彼に話した。



秋夜さんに聞いた秋月くんの気持ちには一切触れないで。


その気持ちは秋夜さんが感じ取った想いであって、本当の秋月くんの想いとは言い切れないから。


聞くならちゃんと本人の言葉で聞きたい。


そして伝えたい。私の気持ちを。


あなたのことが好きだと、その言葉を伝えたい。